線に喚起される形、それにともなう色とその質、奥行きなどあたりまえのことの判断をしてみようとしている。容易に何かを描くことはできないが、描きはじめる。タッチが何かに見えたり見えなかったりする。それをただ繰り返し、 描く行為のなかから絵画のきっかけをもらう。それらを絵画として統合するには、山を登ろうとする強い気持ちををつねに持たなければならないし、まだ登ったことのない別の山から光をもらわなければならない。
赤塚祐二